鍼灸治療とは
東洋医学にもとづいた、伝統的な治療法
東洋医学は、数千年も前に中国で確立された、膨大な臨床データを理論的に体系づけた学問です。
漢方も鍼灸も中国からもたらされ、その理論は東洋医学にもとづいていますが、日本で独自に発達してきました。
東洋医学では、からだのバランスの乱れ(虚)が起こることにより、健康が損なわれ、病になると考えています。
それを鍼とお灸を用いて整え、本来のバランスに戻そうとするのが鍼灸治療です。
まず四診(望・聞・問・切)によって、顔色、脈、腹部、話し方など様々な角度から観察し、バランスの乱れがどのようなものかを見定めます。
これを証立てといって、証にもとづいて治療する経穴(ツボ)を決め、全身を治療していきます。
つまり、同じ症状でも「証」が違えば、使う経穴も同じではなく、治療法が異なります。おひとりおひとりに合わせたオーダーメードの治療とは、それぞれの「証」に合った治療ということなのです。
東洋医学と西洋医学の違いとは
東洋医学と西洋医学の違いはなんでしょう。
東洋医学=民間療法、西洋医学=最新治療、というイメージがあるかも知れませんが、東洋医学もまた理論的に確立している医療体系であり、今も学術機関で研究され、現場で応用されている、現在進行の医学です。
西洋医学との違いをとてもかんたんにいうと
目に見える病気→西洋医学が得意
目に見えない病気→東洋医学が得意
と言えるのではないかと思います。
西洋医学は敵を見つけてやっつける治し方、東洋医学は全体のでこぼこを整える治し方だからです。
西洋医学は、細菌やウィルスを発見して感染症を克服したことで、大きく発達しました。 がんの早期発見法や切除手術法も進歩し続けています。
一方で、不定愁訴とまとめられてしまう様々な不快症状、からだのあちこちに現れる不調、原因不明の痛みなどは対処療法にとどまりがちです。
東洋医学はそういった症状を、からだのバランスの乱れとして全体として診ますので、効果的に治療することが可能です。
どちらにも良い面とそうでない面があります。東洋医学と西洋医学をうまく使い分けて、健康を保つことが大切ではないでしょうか。